一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会 10周年記念学術大会について

大会長 10周年記念学術大会 挨拶

「生きがい・ウェルビーイング向上への取り組み」

一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会第10回学術大会 大会長 柴岡 信一郎  博士(芸術学)

柴岡 信一郎  博士(芸術学)
(日本ウェルネススポーツ大学学長
 一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会副理事長)

日頃より,一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会へのご理解,ご協力を賜りましてありがとうございます。
お陰様で10周年を迎えることができました。

本学会は,2014年12月に発足し,そのミッションは健康創り,スポーツ創り,教育創りの3本の矢の相互関係を密にして,健康教育と体育・スポーツ教育を中心に全ての人々の生涯にわたる生きがい創りに寄与することにあります。

表に示しましたように,この設立趣旨を反映して,第1回大会(2015年3月)のメインテーマを『健康・スポーツ・教育の連携による幼少年期からの生きがい創り』とし,以後の学術大会では,それを統一テーマとし,毎回,時代の要請に応じた特有のメインテーマを設定してきました。

統一テーマ 健康・スポーツ・教育の連携による幼少年期からの生きがい創り

日付メインテーマ
12015.3.14健康・スポーツ・教育の連携による幼少年期からの生きがい創り
22016.2.28これからの生涯健康・スポーツ指導のあり方
32017.2.26スポーツとメディアの関わりを通してのQOL創造
42018.2.18スポーツによるQOLの創造
52019.2.17スポーツで“未来”を創る
62020.2.162020東京五輪・パラリンピックとすべての人々のQOL向上
72021.2.28コロナ禍におけるニューノーマル対策
82022.2.27コロナ禍で加速する価値の多様化 -働き方と東京五輪に着目して-
92023.2.26新しい時代(Society5.0)に求められる生きがい・ウェルビーイングの創出
102024.2.25生きがい・ウェルビーイング向上への取り組み

今回の第10回学術大会では,昨年のメインテーマの「生きがい・ウェルビーイングの創出」から,「実現化」に向けて一歩でも推進すべく具体的実践的な取り組みについて考究し情報交流をしようと,「生きがい・ウェルビーイング向上への取り組み」をメインテーマとしました。

この裏付け,後押しになったのは,令和5年3月の中央教育審議会の答申「次期教育計画進行基本計画について」です。

その次期(第4期(2023―2027))の基本計画のコンセプトとして,1つに,「日本社会に根差 してウェルビーイングの向上」が掲げられたからです。

ウェルビーイングについては,「身体的・精神的・社会的に良い状態にあること。短期的な幸福のみならず,生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念」としており,本学会の10年間の生きがい創りの実績が正当化でき,記念大会にふさわしいとご尽力いただいた皆様に感謝しています。

また,もう1つの基本計画のコンセプトとして,「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」が掲げられ,「Society5.0で活躍する,主体性,リーダーシップ,創造力,課題発見・解決力,論理的思考力,表現力,チームワークなどを備えた人材の育成」が強調されています。

この人材育成にあたっては,大学への期待が大きく,日本経済団体連合会も2022年1月の「新しい時代に対応した大学教育改革の推進―主体的な学修を通した多様な人材の育成に向けて」において,大学改革の推進を提言しています。

この大学での人材育成を受けて,本学では令和5年度のFD研修会の主テーマを「主体的な学び」を目指す授業づくり」としました。この主体的な学び」の授業づくり」の方向(中・長期)目標は学修者の生きがい・ウェルビーイングの向上にありますので,この実践例を公表できることも,10回大会が記念大会にふさわしいと考えています。

この実績も含めまして,講演テーマを「大学進学者数が激減する2040年に向けた大学教育改革の取り組み」と題して,本学(日本ウエルネススポーツ大学)での実際の取り組みについてお話しし,持続可能な社会の人材育成の推進に貢献できることを切望しています。

特別講演では,統一テーマの“幼少年期からの生きがい創り”に着目して,「生涯学習の視点からのウェルビーイングへの取り組み -ESDに着目して-」と題して,日本女子大学名誉教授 田中 雅文氏にお話をいただきます。

シンポジウム,ワークショップ,口頭発表では,生きがい・ウェルビーイング向上への実践的な取り組みについてお話をいただき,実り多い大会となりますよう,忌憚のないご意見を積極的にいただきたく,よろしくお願いいたします。

末筆ながら,今回のご講演,シンポジウム,口頭発表いただく皆さん,大会準備および運営に携わっていただいた方々に心から感謝いたすとともに,大会の成功を心から祈念し,今後とも本学会の充実・発展に変わりないご理解とご支援を賜りますことをお願いし,ご挨拶とさせていただきます。