一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会第9回学術大会について

大会長挨拶

新しい時代(Society5.0)に求められる生きがい・ウェルビーイングの創出


柴岡 信一郎
(一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会副理事長
日本ウェルネススポーツ大学副学長)


皆様、日頃より一般社団法人 日本健康・スポーツ教育学会へのご理解、ご協力を賜りまして心より感謝申し上げます。毎回、一貫して申し上げておりますが、平成27年3月に設立した本学会のミッションは「健康創り、スポーツ創り、教育創り」の3本の矢の相互関係を密にして、全ての人々の生涯にわたる「生きがい創り」に寄与することにあります。これを受けて、第1回大会より、統一テーマを「健康・スポーツ・教育の連携による幼少期からの生きがい創り」とし、その下で、社会の変化に対応して、毎回、特有のメインテーマを設定してきております。

2022年度の第9回本学術大会はコロナ感染禍の長期化、2030年の実現を目指すSDGsの国をあげての取り組み、ロシア・ウクライナ戦争といった人間の生きがい・ウェルビーイングに関わる社会的課題の解決に向けて共に探究したく、「新しい時代(Society5.0)に求められる生きがい・ウェルビーイングの創出」をメインテーマとしました。

新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大・長期化や、ロシア・ウクライナ戦争の勃発によって、社会は大きく変化することとなり、人々の生きがい・ウェルビーイング(well-being)が世界的に再熱し注視されるようになってきています。この世界的潮流は、SDGs(2015 年に国連が採択した「持続可能な開発目標」)の実現を目指すSociety 5.0(Society 5.0 for SDGs)の人間中心社会においても重視されています。その新しい時代に対応したウェルビーイング実現のためには、多様な人材育成への投資を加速して、産学官の連携、大学教育改革の推進が必要です。学際領域の主体的な学修を通じてイノベーションを起こせる人材や新たな価値を創造できる人材、つまり、グローバル・リーダーとなりうる人材を多く輩出することが求められています。とりわけ、大学の役割として、日本経済団体連合会の提言「新しい時代に対応した大学教育改革の推進-主体的な学修を通じた多様な人材の育成に向けて-」(2022年1月)に見られるように、地域や日本、世界に貢献することが急務です。

このような社会変化を踏まえて、本学術大会では、ウェルビーイングの潮流・創出に関しまして、兵庫県公立大学法人芸術文化観光専門職大学准教授の髙橋伸佳氏に昨年に続き特別講演「ウェルビーイングの視点からの交流によるまちづくり」をお願い致しました。これを受けて、シンポジウム3題、ワークショップ1題、セミナー3題において、今後の「生きがい創り」に対応するための大学の在り方等に関して、ともに議論し共有して頂きます。
口頭発表としては、過去最高数の21演題となり、皆様の普段から努力されている研究テーマをご披露して頂きます。

本大会はコロナ禍ですが、何としても、人と人との繋がりを1日でも早く取り戻したく、対面形式を中心とし、一部にオンラインを取り入れて開催することとしました。

実り多い大会になりますよう、忌憚のないご意見を積極的にいただき、今後の活動の糧にして頂けますよう、よろしくお願い致します。

末筆ながら、今回のご講演、シンポジウム、ワークショップ、セミナー、口頭発表いただく皆様、大会準備および運営に携わっていただいた方々に心から感謝いたすとともに、大会の成功を心から祈念し、ご挨拶といたします。

多くの方々のご参加をお待ちしております。

<プロフィール>
日本ウェルネススポーツ大学副学長、学校法人タイケン学園副理事長
博士(芸術学)、日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了
専門;コミュニケーション論、メディア論
著書;『報道写真と対外宣伝 15年戦争期の写真界』(日本経済評論社)
   『プレゼンテーション概論』(朝倉書店)
   『社会人になるためのキャリア情報リテラシー』(技術評論社)
   日本映像学会第45回全国大会「2016・2020年東京五輪を歩く」(2019年6月)
   「時代の先端にある共創成 ビジネス、政治、外交、アート」『クロストーク』8号、
   芸術メディア研究会(2022年9月) 他多数