日本健康・スポーツ教育学会 10周年記念学術大会

発表内容 要旨

10周年記念学術大会 理事長挨拶

『10周年記念学術大会によせて』

柴岡 三千夫(一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会・日本ウェルネススポーツ大学・公益財団法人日本幼少年体育協会 理事長)

要旨
一般社団法人日本健康・スポーツ教育学会が10周年を迎えました。これも皆様のご理解と支援のお蔭です。誠にありがとうございます。
本学会の走りは、1976年(昭和51年)の体育健康クラブの発足まで遡ります。まだ、幼児の体育・健康というムーブメントが我が国に浸透していなかったころから、人材育成、教育、普及事業を推進し、幼児体育健康教育指導者講習会及び幼児体育指導者検定事業では、多くの認定指導者を輩出しました。その実績が認められ、2012年に文部科学省より、ウェルネスの概念を導入した「日本ウェルネススポーツ大学」が、2013年には、内閣府より日本幼少年体育協会が公益財団法人として認定されました。この経緯によって、ウェルネス研究への学術化、公益化、グローバル化への責務を負うこととなりましたので、日本ウェルネススポーツ大学及び日本幼少年体育協会が共催で「一般社団法人 日本健康・スポーツ教育学会」を2015年3月に設立するに至った次第です。このことは、本学会が先を見通し、ウェルネス、生きがい・QOL向上を目指して社会的貢献をしてきた意義の大きさと、10回大会が記念大会にふさわしいことを示唆しています。
今後、本学会は、SDGsの実現化に対応して、継続可能な学会を目指し、well-being、ウェルネスに着目して、生きがい創り(QOLの向上)の実現に向け、学術面と全国的視野からのアプローチを一層充実したいと考えています。引き続き皆様のご理解とご支援をお願いします。

大会長講演

『大学進学者数が激減する2040年に向けた大学教育改革の取り組み』

柴岡 信一郎(日本ウェルネススポーツ大学 学長)

座長
大津 一義(日本ウェルネススポーツ大学 教授)
要旨
世界中で感染者数の波と向き合う日々が続き、各産業界では、状況に合わせてやっていくしかないと判断し社会経済活動が進行している。この状況で、各産業界では技術革新とリテラシーの向上が求められ、実際にここ数年で大きく向上した。これらを実際に行うには、「変化を受け入れる姿勢」が必要である。私立学校は、我が国の若者が多かった「学校バブル時代」から、急速な少子化に直面、2023年の出生数は73万人となる。この人数が18年後(2042年)の大学、専門学校の入学対象者、マーケット規模となる。私立学校で働く人々は、この人口推移を見ると心細くなるが、一方で18年間もの時間があるので、このマーケット規模に耐えうる組織(学校)とし、備えれば良いのである。では、私学は、具体的にどうするべきか。真っ先に挙げられがちなのが、不景気対策の象徴であり、最大支出項目である私立学校の人件費(比率55~65%程度)の削減である。この人件費の削減も必要だが、抜本的な施策として取り組みたいことは、新しいサービスの開発であり、既存のサービスと新しいサービス間で相乗効果が生まれると最適である。新しいサービスの開発を行う際、結果を出さねばと焦り、規模拡大だけが目的になり、労多くして益少なしにならないようにすること。全く逆の、規模拡大を目的にして、次から次へと発生する課題にその都度向き合って解決し、ノウハウを蓄積していくやり方もあるが、どちらが正しいのか…。「変化を受け入れる姿勢」は、組織が成長する好機となる。この変化を好機とプラスに捉えて、今日進められているSDGsの17の目標実現の取り組みの達成と経営・経済成長の両立に向けて、社会変革の起点となり、持続可能な社会の人材育成の推進に貢献できるよう精進したい。

特別講演

『生涯学習の視点によるウェルビーイングへの取り組み-ESDに着目して-

演者
田中 雅文(日本女子大学 名誉教授)
座長
柴岡 信一郎(日本ウェルネススポーツ大学 学長)
要旨
まとめとして、武蔵野の森を育てる会の会員が実践するボランティア活動は、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」に焦点をあてながらも、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」への波及効果も生み出している。これらの効果は、ボランティア活動をとおした体験的な学習や雑木林保全に関する学習会などのESDによって拡大している。その結果、子どもから大人までやりがいと達成感をもち、境山野緑地を拠点とテーマ型コミュニティの一員として位置づいている。雑木林保全のボランティア活動が、ESDの側面から人々の生涯学習を促進し、それがウェルビーイングの向上につながっているといえるだろう。

ワークショップ・パネルディスカッション

ワークショップ1
『SDGsに見られる文化多様性-映画「カムイのうた」の生活と文化について-

演者
角田 弘子(日本ウェルネススポーツ大学)
菅原 浩志(映画監督)
作間 清子(cinevoice)
要旨
映画「カムイのうた」は、1903年に生まれ19歳という若さで亡くなった知里幸恵さんの生きざまを通して、アイヌ文化という世界に誇れる文化の存在を改めて多くの人に伝えた人である。この映画が、国内外の次世代が、更なる次世代への多文化共生社会継承のきっかけになることを願い議論をすすめた。本映画を通じて、北海道の開拓に多く貢献し、差別と迫害と戦い続けてきたアイヌ民族の事を少しでも理解し,苛めと差別のない共生社会となり、未来に向かって日本中、そして世界中に融和な社会が拡がることを切に願い、本映画を製作している。ロケ地として東川町の旭岳を中心とした大雪山の自然の美しさ、カムイミンタラ~神々の遊ぶ庭~という日本遺産の素晴らしさも映画でご覧いただけます。

ワークショップ2
『外国人留学生による作文作成の評価のあり方』

演者
澤野 勝巳(城西大学別科)
渋井 二三男(日本ウェルネススポーツ大学)
要旨
外国人留学生が作成した論文の評価については、詳細なルーブリックが提案され、内容の論理性に重点を置いた評価がなされているが、初級から中級レベルの外国人留学生の作文については、論文の前段階に当たる文章を成立させるための能力に重点を置いて評価するべきと考える。そのため、日本語初級者、中級者、上級者のレベル別に添削した結果、見出されたいくつかの類型に基づいて項目分けし、できるだけ客観的な評価ができるような評価表を作成することを目指す。まとめとして、「正確さ」を重視して評価する場合、今回の評価表も十分使えるであろう。菊地1987よりは実際の使い勝手はいいように思われる。

ワークショップ3
『基本的自尊感情を育む共有体験~ICTの活用と身体性を視野に入れて~

演者
近藤 卓(日本ウェルネススポーツ大学)
要旨
今回、いくつかの共有体験(近藤、2014)を紹介し、それらを体験することとした。「手首の上の綿棒」と名付けた共有体験の実践で、綿棒に画鋲を突き刺したものを、手首の脈動する部分の上に立てることで、心臓の鼓動を二人で見る体験である。このことにより、命の存在を視覚的体験的に実感するというものである。さらに、ICTを活用することによる共有体験の可能性についても議論した。現下の社会状況や教育現場でのICTの浸透状況に鑑みて、共有体験へのICTの活用が期待される。GMCは、一例に過ぎないが、他にも流通しているICTやwebを活用したツールを用いて、身体性を伴った共有体験を具体化していくことを考えた。さらには、日進月歩の技術としてVR(仮想現実)やMR(複合現実)の活用も考えた。こうした現下の状況も踏まえつつ、今回のワークショップを通して改めて共有体験の意味を実感し、さらにはそこでのICT活用の可能性をご参会の皆様と議論した。

ワークショップ4
『ウェルビーイングと子どもの健康教育-地域連携による多文化理解の視点から-

演者
増澤 將江(日本ウェルネスAI・IT・保育専門学校)
木戸 直美(静岡福祉大学)
要旨
多文化理解に関連した子どもの育ち、あるいは、児童生徒を対象とした報告や具体的実践的な教員養成課程の大学との地域連携に関する報告は皆無である。子どもの健康教育を包含した多文化理解に関する学校と地域との連携プログラムの報告は見当たらない。そこで多文化理解に関する地域連携プログラムの概要について報告し、今後の子どもの健康教育と多文化理解の概念深化の向上、ひいては普遍的テーマである「ウェルビーイング」「健康」に関する議論の礎とすることを目的とした。その結果、「子どもの健康教育」と「多文化理解」についての構造図が提案された。今後は、多文化理解に関する地域連携プログラムのより充実したプログラム開発、提案された構造図の詳細検討、及びそれらの検証が課題である。

パネルディスカッション
『部活動指導員の養成・普及について~中学・高校の部活動を発展させるために~

演者
千葉 智久(日本ウェルネススポーツ大学)
堀家 拓馬(東京都東村山市立東村山第四中学校)
山崎 真(大森学園高等学校)
菅野 春哉(成蹊大学)
要旨
現在の部活動を維持するための課題として、「部活動の維持」、「教員の負担」、「指導者の資質」等、非常に多くの課題があげられる。今回はこれらの課題から、現場の声ということで現職中学校教諭、両者経験した現職高校教諭に部活動の経験について討論し、全体討論として「部活動指導者現役の声」ということで大学生1名を指定討論者として、討論を進めた。部活動指導員の導入は、生徒の監督・指導責任が移るため、教員が不在でも部活動指導が可能になり、教員の休日確保につながります。また、この現場の声を参考に我々が指導者として、スポーツ指導者を育成するための見直しのヒントになります。本学においてはスポーツ系大学として今後スポーツ指導者を多数輩出し、生きがいを見いだせる指導がウェルビーイングにつながるということを互いに意識し、自己啓発に励むことを願ってやみません、とまとめている。

ワークショップ5
『AIとオンライン教育のコラボレーション・課題・展望』

演者
平山 実(日本ウェルネススポーツ大学)
平山 弘(阪南大学)
大久保 英樹(芝浦工業大学)
要旨
教育においてインターネット環境は必須である。そればかりかAIにより更なる効率化や種々用途への応用そして最近では、CHATGPTの業務への応用もさかんになりつつある。実際教材の作成、受講生の学習の個別管理等にも活用されている。このような状況において学校教育をより効果的効率的にするために、どのような方策があるのかを、種々の事例を分析し、「AI教育」「オンライン教育」「CHATGPT」のコラボレーションの在り方、現状の課題、展望を明らかにする。オンライン教育を前提として、AI教育、CHATGPTの現状とコラボレーションを考察した。結果として、明らかにコラボレーションした方が効果的である。すなわち、AIの機能を活用し、既存のシステムで実現できない機能を補完したり、発展させたりすることが必要である。その細部についてワークショップで議論した。今後、本学の通信教育課程も、以上を踏まえ再構築する必要があると結論付けた。

ワークショップ6
『戦後日本の平和教育の在り方』

演者
工藤 美知尋(日本ウェルネススポーツ大学)
渡邊 裕鴻(日本海軍戦史戦略研究所)
要旨
近年の国際政治状況は劇的に変化しているにもかかわらず、日本では依然として「護憲」をスローガンに、「平和教育」を行おうとしている。しかし、我々は、「一国平和主義」の危うさを知るともに、国際政治の本質を理解することこそ、「真の平和教育である」ことを悟らなければならないと考える。さらに、我々の解釈によれば、国際法上の「自衛権」までは放棄していないと考えている。「国、大なりといえども、戦さを好めば必ず亡び、天下安し。今が平和)といえども、戦さを忘れるならば必ず危うし」という司馬法の警句をかみしめる必要があり、「日本が軍事侵攻を受けたら防衛戦争は行うが、他国を軍事侵略するための武力侵攻は決してしない」というスタンスを守ることこそ、真の「平和教育」であるとの認識をしっかり胸に刻む必要がある。上記のことについて活発な議論が行われた。

一般口演

<健康・教育領域>

座長
横山 典子(日本ウェルネススポーツ大学)
江口 秀幸(日本ウェルネススポーツ大学)
  • A-1ウェルビーイングを意識した教科教育法のあり方

    平山 弘(阪南大学)
    要旨
    本研究において、ウェルビーイングを意識した教科教育法、とりわけ商業科教育法を中心に進めていく。ウェルビーイングにつながる脱日常・非日常世界を関わる定義やその解釈から見えてくるものを可視化することで表され、関係する価値をプラットフォームに落とし込むことで、新たなブランド価値創造のかたちを明示化する。ウェルビーイングを意識した教科教育法のあり方について、「商業教育」「経験学習モデル」「キャリア・アンカー」というキーワードから筆者なりの観点から考察してきたが、その本質的なことは具体的経験を通して内省化させることで新たな抽象的概念の発露になり、自らの幸福度と社会的充足状態につながることを想定し、自らの立ち位置を明確化、ライフスタイル設計に積極的に関与していくことが考えられる。
  • A-2通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒のウェルビーイング向上に向けて-校内支援体制の現状と課題-

    品田 隆介(玉川大学教職大学院)
    要旨
    本研究は、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒のウェルビーイング向上のための校内支援体制の現状と課題について、児童生徒の現状を示す文部科学省から公表されたデータを整理し、改善策の検討を行うことを目的とした。その結果、発達障害の特性や二次障害が原因で不登校になっている可能性があると考えられた。誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す学びを実現するため校内支援体制を整備することが求められた。また、学級担任が一人で抱え込むことなく、同僚や専門家に相談できる職員室の風土づくりも大切であると考えられた。不登校になってから支援を開始するのではなく、「発達指示的生徒指導」、「課題未然防止教育」や前兆行動が見られる児童生徒を対象とする「課題早期発見対応」を行うことが求められていると考えられた。
  • A-3オンライン教育の課題と展望 ~WEBの大学®を事例として~

    平山 実(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    本研究の目的は、現状のオンライン教育の普及の背景、先行するオンライン大学及びスクーリングなしの大学の現状と課題を再整理する。併せて新設した本学の「WEBの大学®の大学」の課題と可能性を明らかにすることとした。以下は、その結果である。先行4大学のコンテンツ力は高い。学費軽減化を図るには、規模の拡大必要である。このため、コンテンツの充実及び募集広報の抜本的強化必要である。芸能人、キャラクターによる周知強化・全科目のオンデマンド化が必要、分野の独占可能(競合無)、携帯のみ可能のシステム化が必要であると考えられた。
  • A-4人はなぜ「生まれ変わる」のか

    尹 東燦(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    人間にとって生死問題は有史以来の関心事で、死後生まれ変わるという考え方は日本の文化にも深く浸透している。そこで、今回は「生まれ変わる」という考え方の文化的根源を考察し、もって人間生存の意義を考えるきっかけにしたい。以上が「生まれ変わる」という考え方の文化的な拠り所であるが、いずれにしても、生き物の生存には苦痛を伴う。そしてその苦痛には原因があるとされる。釈迦仏は人間苦の一つとして、五陰盛苦を取り上げているが、これは我に執着するところから生じる苦と説く。人間は「我」にこだわりすぎる。そのため、釈迦仏は「諸法無我」を説いたと思われる。果たして「我」は本当に存在するだろうか。

<スポーツ・教育領域>

座長
橋本 純一(日本ウェルネススポーツ大学)
富川 力道(日本ウェルネススポーツ大学)
  • B-1『漢書』記載匈奴人の「捽胡」という「技」に関する一考察

    富川 力道(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    本稿では、中国語文献『漢書:霍光金日磾伝』記載の匈奴人金日磾が何羅(莽何羅)を捕まえたという一文にある「捽胡」について初歩的な検討を加えた。「捽胡」については、語彙論的な解釈と格闘技論的な解釈があることを指摘した。前者は、「捽胡」について「頸を掴む」動作として解釈しているのに対し、後者は「捽胡」を専門的な格闘技の名称として捉えている。筆者は現在のブフにおける技認識の見地からして、「頸を掴む」動作は独立した技ではなく、相手の動きを止めて、投げや捻りの技に持ち込むための組み手と見ることが妥当ではないかと考えている。
  • B-2コロナ禍前、中、後を通した高校生の走力の変化に関する研究

    温井 一裕(日本ウェルネス高等学校)
    本間 一輝、杉町 マハウ、塚本 敏久(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    本研究は、東京都高等学校体育連盟陸上競技専門部に登録した高校生の走力に関する記録をコロナ禍前(2017~19年度)、中(20~21年度)及び後(22~23年度)について分析し、走力の変化について研究したものである。17~23年度をとおし各種目とも20年度を除き各年度間の最高値に大きな変化は見られない。逆を返せば、20年度並みの最高値を出すには、出場大会等を選別する等疲労回復のための休息が必要であり、指導方法として休養も大切な練習の一環であることを再認識すべきであると考える。
  • B-3甲子園における通信制高校の新聞報道動向

    千葉 大輝(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    本研究では、高校野球の全国大会である甲子園において「通信制高校」が新聞記事として、どのように報道されているかを内容分析で明らかにする。方法は、朝日新聞の「朝日新聞クロスサーチ」、毎日新聞の「毎索」、読売新聞の「ヨミダス」を用いて検索する。まとめとして、通信制高校は一種の高校の形態として、世の中に馴染んできたのが新聞各紙から見受けられた。本研究では全国大会にあたる甲子園のみを調査の対象としたが、地方大会やスポーツ紙においては情報の価値が大きく異なる。この傾向がまた違った結果になると考える。
  • B-4荻生徂徠の兵学と武芸-道との関係から-

    瀬尾 邦雄(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    徂徠にとって兵学とは、戦場における戦略上の理論的な作戦や兵法、戦術ではなく、戦術的実践の中で、先王の道に裏打ちされた治世の兵学・治世の軍法であった。それは宋代の七書を空理空論と批判したことからも明確であろう。また徂徠が求めた武芸とは、先王の道に裏打ちされた治世の兵学、治世の軍法としての価値を持つ武芸であって、当時盛行していた武芸は理屈と斗筲の芸に過ぎず兵学や軍法の枠外にあるものであった。

<生涯教育・スポーツ領域>

座長
鈴木 勝彦(日本ウェルネススポーツ大学)
薗部 正人(日本ウェルネススポーツ大学)
  • C-1生涯スポーツとしての「マスターズ甲子園」の取り組みに関する課題

    武井 克時(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    「マスターズ甲子園」は全国の高校野球OB/OGが、性別、世代、甲子園出場・非出場、元プロ・アマチュア等のキャリアの壁を越えて、出身校別に同窓会チームを結成し、全員共通のあこがれであり、野球の原点でもあった「甲子園球場」で白球を追いかける夢の舞台を目指そうとするものである。東京は、現在272校が高野連に加盟しているが、マスターズ甲子園加盟校はたった27校のみである。これだけ高野連加盟校が多い東京で1割しかマスターズ甲子園連盟に加盟していないのが現状。各高校のOB会を活用し、この活動を理解、加盟校を増やしていくことが大きな課題・目標である。一人でも多くの元高校球児が、「夢」を追ったあの時の気持ちに戻り、夢の舞台を目指してほしいと考える。
  • C-2聖地巡礼の発展要因に関する研究~成功事例の分析を通して~

    西村 優斗(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    前回の発表ではアニメの聖地巡礼は社会問題の解決に寄与するのではないかと提言をした。今回は聖地巡礼を今後もさせるための発展要因に関する研究を行った。聖地化を歓迎して受け入れたいと考えている自治体は、過去の成功例から学びを得て発展に努める必要があると感じた。また、ファン側も求められれば必要に応じて協力すべきあるし、聖地として受け入れを行っている地域へ最大限のリスペクトで返す事が重要である。私は現地での情報発信やガイドブックの制作で聖地の発展に取り組んできたが、今回の研究で分かった要因を元に聖地へ寄与していきたいと思う。
  • C-3コロナ状況の変化における高齢者の縦断的体力変化について-茨城県利根町「きんとれ会」参加者の継続的体力測定結果から-

    薗部 正人、石田 良惠(日本ウェルネススポーツ大学)
    黒崎 喬嗣(鹿屋体育大学大学院)
    小島 和彦、伊藤 義朗、大野 次男(TONE ウェルネスきんとれ会)
    要旨
    本研究は、「きんとれ会」に参加している高齢者を対象に、コロナ拡大前(2017年)と拡大後(2022年)、に加え、5類感染症に移行したコロナ後(2023年)の各期の身体的特徴および体力レベルを縦断的に測定および比較し、定期的な運動の阻害および再開により、高齢者の身体に及ぼす変化について検討、町民の「健康寿命」や「QOLの向上」を考える上での基礎資料を提供することを目的とした。コロナ前、コロナ中およびコロナ後における各期間での高齢者の体力測定の結果、コロナ状況の変化を伴う運動阻害の為、一度は、体力測定値に有意な低下がみられたがその後1年で体力が回復傾向にあることを示唆し、利根町の「きんとれ会」による運動継続の必要性を更に明確にした。
  • C-4男子新体操の小学生低学年における敏捷性と経時的変化

    藤井 祥己(日本ウェルネススポーツ大学)
    要旨
    男子新体操は、日本で誕生したスポーツであり、今日に急速に日本国内でメディアに取り上げられるようになってきたスポーツである。本研究では、小学生低学年を対象にして敏捷性が学年によってどのように変化するのかを検討し、男子新体操の個人の練習プログラムの基礎資料を得ることとした。その結果、男子新体操の練習プログラムおいて正確性は向上したが、スピードを上げるトレーニングが必要であることが示唆された。今後、次の3点1.被験者が各学年一人ずつであるために被験者を増やす。2.発育発達のバイアンがあることから低学年だけではなく高学年や大人などといった発達発育からかけ離れた人を被験者にする。3.新体操をやった子どもとやっていない子どもを被験者として比較実験を行う。を改善し、研究を継続する必要があると考えられた。

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